「?!」


まさか、と驚いて目を開けると……異質な感触を覚えた裾先では、
『口』の触手が、むっしゃむっしっゃと美味そうに
アマゾネスの象徴である、深緑の装衣を咀嚼している所だった…!!

「ひ…っ……?!」

喰われている。


自分の一部として認識している部分が、喰われている。


ぞっ、と背筋を恥辱とは別種の悪寒が駆け上がり、リースの感情を激しく揺さぶる。


平常時であれば冷静に受け止め、難なく恐怖を押さえ込む事ができたのだろうが、
恥辱と怒り、混乱と疲労と麻薬の痺れで滅茶苦茶になってしまった頭では
もはや僅かな恐怖も押さえ込む事ができなくなっていた。


全身が縮み上がり、歯がカチカチと小臼歯の愛らしい音を立てる。


萎縮によって皮肉にも股座の肉蓋がキュッと閉じ合わさり、
しかし代わりに膣口の上の小さな孔が尋常でなく震え出す。


当然のことながら、装衣はあくまで装衣であって自身ではないのだから、痛みは無い。


しかしいつでもアマゾネスとしてのリースと共に在ったそれは、
いわば、リースのアマゾネスとしての部分であった。






――姫君であり戦士でもあるリースは、その年幼さには重過ぎる責務を背負いきるため、
姫君である時の自分と戦士である時の自分を無意識的に分けている。


その切り替えを担うのが、この、アマゾネスの装衣だ。


これを身に纏っている時は戦士としての自分。
それ以外のものを身に着けているときは王女としての自分。

二重人格というほどのものではないが、七割がた心構えが切り替わる。


意識による差は大きく、
このようなバケモノを相手に一時は怒りさえ覚えるほどの勇猛を見せた戦士リースも、

姫君のリースとなれば弟のちょっとした悪戯で毛虫を相手に可愛らしい悲鳴を上げてしまったりすることもあるほど、
か弱い乙女であった。


その愛らしくも弱々しい姫君が……今、強制的に引きずり出されようとしている。


戦士であるリースの、怯えるように固い戦乙女の殻を、ぬろり、ねろりと舐め溶かすようにして……。


「ひっ……、ひっ………!?」

太腿の位地まで喰い迫った『口』が舌を伸ばし、
デザートのようにリースの汗を舐める。

激しい運動でかいた純粋な汗と、恐怖・怒り・屈辱・恥じらい、それぞれの味を含めた脂汗の絶妙な味わいは『口』の食欲を一気に増進させた。


太腿にぬろりと濡れた粘膜質の感触を押し付けられたリースは必死に悲鳴を噛み殺す。

その内では乙女が感じる絶望的な恐怖と戦士が感じる不屈の心が入り混じって乱れ、
小さく悲鳴を上げては歯を噛み締めて狼藉者を睨みつけ、
睨みつけながらもその目端にうっすらと涙を滲ませてしまうという混乱振りだった。


身体は時折思い出したように、ぐっぐっと力を込めて抵抗するが
それを嗜めるように甘噛みで脅されると、すぐさま怯えたように硬直してしまう。


芯が一本通ったような清廉な娘が、その芯一本になるまでひん剥かれて、
指先ひとつにぐらぐらと心揺らぐ有様は、なんとも愉快なものだった。


『目』がにんまりといやらしく歪み、
『口』がガチガチとわざとらしく大きな噛み音を立てながら装衣を食い破ってゆく。



「ひぅっ…?! っ…くぅっ…… っ… んんぅっ……」


とうとう装衣がその下に有るプリーツスカートの丈までに喰い減らされると
スカートの中から漂ってくる乙女の甘い匂いが『口』の中にまで漂い込み、
渾然と沸き立つ興奮に火をつけた。


「うほぅぃぁぎぇぇぇしぃじゃくぉぅぁいぃ゛hく@hhhhhhhhhhhhぃぃぃぃぃぃ!!!!!」


――結果、爆発。

トチ狂った『口』は奇怪な言語を喚き散らしながらミミズのようにグネグネと身を踊らせ、
その勢いで、ぴし、ベシ、と何度もリースの太腿を鞭打つ。

反動で捲くれたスカートを別の口が捉え、
スカートの上に残っている装衣ごと再び、猛然と食い始めた。


リースに限らず、
もともと体格で劣るアマゾネスを強兵たらしめているのは、その清硬たる意思の力によるところが大きい。


これが姫君という重責との間にあって、他者よりも深く『意思の切り替え』を行っているリースともなれば、
アマゾネスとしての特徴を――それも『喰う』という、最もおぞましい方法で――奪われるのは、
甚大な精神ダメージを被るに値するものだった。


グェェェェェェェップゥゥ、と下品極まる、実に満足げな下腑を吐きかけられて
リースの顔が泣き崩れる。


「っ…ひっ…ぐすっ…ぅぅぅっ………」


貪欲な『口』によって、乙女の汗と体臭がたっぷりしみこんだ衣服の全てを余す所無く喰われ、
とうとうパンティ一枚という惨めな姿にされてしまった姫君は
知らないおじさんにイタズラをされて怖がる幼女のように怯え、震え、固まって、半泣きになりながら洟を啜っていた。


それでも依然手放さない槍に込められた僅かな矜持だけが
ひくつく尿孔からの失禁を押さえ込んでいる。


パンティ一枚の姿で自由を奪われ、恥ずかしい姿に固定されて乙女の尻肉を弄ばれ、
幼子のような恐怖と一片の戦士の矜持で決壊ぎりぎりの精神を繋ぎ止めているリースの姿は………まさしく、触手達の望む『リース』の姿だった。


ハー、ハー、とリースの耳元で麻薬混じりの生臭い息を吐き掛け続けていた『口』が、
ありったけの感動を込めて、言葉を発する。


「い……いぁ…ィァィァィァィァィァぃぁぁああああああああああああふひぃぃぃぃぃぃひひひひひひひひ!!!!!!」


麻薬で痺れたリースの耳には、
それが 「いただきます」 と言っているように聞こえていた……。





   

 

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