実際の生殖を見たことがある。


戦場に立つことを許可される年頃より三つ前の、
件の、リースの胸に関するコンプレックスの一件からまだそう経っていない頃の事だ。

国交の為、見習いアマゾネス達にはある程度の教養が与えられるものの、
その教育方針は極端に実践的で、ともすれば原理的な色を有する所の濃いものだった。



思春期を迎えた少女達は性に関する興味から、己の存在についての悩みや、あるいは可憐な隣人や強く優しく美しい先達のアマゾネスに無垢な恋心を抱いたりするような不安定な年頃で、

ともすれば好奇心に駆られるまま城を抜け出して街に降り、
そのまま社会の暗部に引きずり込まれて戻ってこれなかった……或いは、後日、『一回10ルク』という看板を付けられた廃人同様の姿で売春宿の前に転がされていたなどという悲劇も過去数度の例が有る。


その為、少女達に対しては好奇心への一応の回答と
先々、敵軍の捕虜となった際に受ける辱めへの覚悟と耐性付け、
或いはもっと先の、子を残す際の準備なども含めて、
捕虜の敵兵を用いた実際のセックスを見せるという教育課程が設けられていた。



実演に当たったのは、リース達アマゾネス見習いの教育を担当していた『先生』。

幾分間の抜けたところが妙齢になっても可愛らしく、おおらかな包容力と、どこもかしこもが柔らかくて良い匂いの美しい女性だったが、一度槍を手にすればその瞳は矢のように敵の心を射抜いて身動きを奪う、戦乙女のような、尊敬するべき戦士でもあった人だ。

見習い少女達の何人かは陰で彼女をお姉さまと呼んで慕っていたし、
リースもまた、物語の中の英雄でも眺めるかのように彼女を半ば崇拝していた。


……或いはこれは、そういった、行き過ぎた幻想を破壊して現実を見させるための通過儀礼でもあったのだろう……。




   

 

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