『実演』は一部屋に集められた少女達と、捕虜と『先生』。
それから万一捕虜が暴走したり、少女が錯乱した場合に備えてのアマゾネス兵十余名という大人数で行われた。


ことにその時は姫君が参加する事になっていたので
リースの側には追加で三人の、それも一隊の長クラスの腕利きが控える構えとなる。


お陰で、過日の胸の件から性というものに対して恐怖を覚えつつあったリースも幾分安心して『実演』の場に立ち会えたのだが、


……基本的に、上に立つ者ほど厳しい環境を要求されるのがアマゾネスたる者の流儀である。


『実演』が始まって一時間もしない内にリースの頭は強力な腕力によって固定され、
目は残り二名の指で開いたままでいることを強制される、拷問体勢を形造る結果となった。




『実演』にあたり、捕虜の男は当初大人しく裸体を晒し
『先生』が男の肉体について解説を行うための教材と化していた。


……が、話が当たり障りの無い、筋肉や骨格の男女差、排泄器構の説明、……それから生殖器官の仕組みへ移ろうと
一挙に場の空気が粘質なものへと濁り始めてゆく。


ペニスの膨張変化と射精の実態、自慰行為についての方法と体調への影響などに事が運ぶ内、
男の様子は刻一刻、より雄のそれへと変貌していった。



少女達の前で生殖器を扱いて射精するよう求められた男は、
どの少女をオカズにするか品定めするように見回していたが、
その顔が真っ直ぐリースを向いた所で止まり、目が合うと、エモノを捕らえた獣、まさにそのものの笑みを浮かべた。


生まれて初めて向けられた雄の波動にぞくりと背筋が固まり、幼い姫君の喉が引き攣って、「ひっ」と短い悲鳴を上げる。

直後、本能的に反らそうとした顔が後ろに控えていたアマゾネスの腕に固定されて自由を失い、
咄嗟に閉じようとした目が両脇に控えていたアマゾネス達の手で開いたままにされてしまった。



これが他の少女ならば、そこでこの虐待とも言えるような強制も留まるのだが、
リースは他の少女達よりも一層厳しく鍛えられるべき『姫君』である。

その『差』は、
拘束状態から更に背を押し出され、コンプレックスの塊である姫果実を
あえて雄に向けて突き出すような姿勢をとらされるという恥辱責めが加算される結果となって現れた。


他にも男が品定めをしている最中に目が合ってしまった少女達の何人かが
怯えて背けようとしている顔をアマゾネス達に固定されていたが、
リースほど厳重に拘束されている様子は無い。

或いは逆に興味津々と言った風で胸を強く抑えながら、
男の痴態に見入っている少女達も居るようだった。


仮にそうした積極的な少女と目を合わせたなら
男の欲にまみれた視線に応じて幼い発情の顔を返してくれたのだろうが、
しかしもはや男の意識は愛らしくも美しい姫君にのみ食い入っていた。



他の瑞々しい青果実の群れには目もくれず、食い入るような目でアンバランスな肉体を凝視したまま、
男は下品な賛美を浴びせ、猛然とナニを扱き出す。


瞬く間にオスのフェロモン臭が室内に充満し、
少女達の鼻腔を穢していった。



そんな中、生まれて初めて浴びせられる卑猥な賛辞に、恐怖と嫌悪でリースはボロボロと涙を零したが、
その様子でさえもが男をより強く食いつかせるための要素にしかなり得ないのを、この頃の彼女はまだ心得ていない。

嘗め回すような熱視線が未だ伸びきっていない未熟な肢体とアンバランスな姫果実をむしゃぶり回し
臭気だけでもその白肌に触れさせようと、一層、酷い雄臭を放ってくる。




愛しい姫君がどれほど辛い思いで居るかは、同じ女として、少女時代を経てきた者として、アマゾネス達全員が理解していた。

あの汚らわしい雄は、後で筆舌に尽くし難いまでの苦痛を与え千殺万死に処してやると胸に誓いながらも、
しかし彼女達は決して姫君に目を逸らす事を許さない。

胸中の想いとは逆に、男の視線を誘わせるようリースの果実を揺らし、
より濃密に雄の臭いを覚え込ませようと、泣き歪んだ幼く可憐な口までも塞いでしまう。




王女たるリースは、ゆくゆくアマゾネスの頂点に立つ者として、
この恥辱の視線をものともせぬほどに強くならなければならないのだ。


既に実戦を知っているアマゾネス達は、戦場で獣の本性を剥き出しにした雄達が
闘争本能と共に生殖本能までもを荒立たせる事を知っている。


このような視線を目の前で対峙している相手のみならず八方から向けられる、そのおぞましさも。


そういう場所なのだ。
命が散り、無数の死が飛び交う地というのは。
……殊更、美しい容姿――雌としての魅力を強く纏ったアマゾネス達が出向く、彼女達の『戦場』は。



もし斯様(かよう)な場面で…男の視線に怯え、足がすくんでしまうようなことでもあれば、

――特に姫君であり、一人の少女としても類稀な容姿に恵まれたリースに、
一体どれほどおぞましい先行きが襲い掛かるかなど……想像ですら及もびつかない。



ただその美しさが災いし、際限なく相手の変態性を煽り立て、生命の危機にまで及ぶ事だけは必至。

何しろ――日々姫君の可憐な姿と健気な姿勢を見守り続けているアマゾネス達自身、
時折狂おしいまでの変態衝動に襲われ悶えることがあるからだ。

同胞のアマゾネスに捌(は)いてもらわねば収まりつかぬほどに衝動は強烈で、
その折妄想世界に広がるおぞましいまでの変態性は、まちがいなく少女の心を無残にしてしまう狂気そのものだった。


同性の、鍛え抜いた精神を以てしてすら、その始末である。
異性の、それももとより押さえ込むつもりの無い衝動が遺憾なく振るわれたとするなら……。




……可愛い可愛いリース様をそのような目にあわせるぐらいならば、
いくらでも恨まれて見せましょう。




内心ではどのアマゾネスもが、この愛らしく健気な姫君を溺愛しながら――
しかし、全てはそれ故の虐待だった。





   

 

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