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男性恐怖については元より教育方針の一環で、
十分に雄という生物の危険性と強靭さを教え込んだ上で後々これを乗り越えさせ、
より強い心を培わせるという訓練が施されたため、
この折習得した意識のスイッチングによって克服できるようになったが、


これとは別に、学術発展の乏しい教育システムが産んでしまったリースのトラウマ……
『自分が自分でなくなってしまう』ということに対する、表現不能な、病的レベルの感情は、
これといって日常では触れない部分でもあるため発見される事も無く、


……結果、此処現在に至るまで、解決される事のないままだった。



鍛えられた精神の鎧は確かに屈強で、
実際、戦場で死に者狂いの男達から殺気と発情の入り混じった濃厚なオーラを向けられても
それを跳ね除けられるようにはなっていたし、
不意を付いて触れられるような事があっても
感情を波立たせないでいられる、止水の心構えも体得している。



しかし今……脳を蕩かされ、肉体の一部を見たことも無い形へと造り変えられて、
最大限のトラウマを引きずり出されてしまったリースは……その身に纏っていた装衣同様、
濡れ透けて益体なくなったパンティ一枚ほどに、精神の鎧を喰い減らされてしまっていた。

それは…もはや裸も同然という事。

つまるところ、現在のリースは、
あの幼い頃の、怯えて青ざめ、恐怖のあまり小便を漏らした弱々しい女の子となんら変わらぬ状態だった。



   

 

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