ちがうのにちがうのにちがうのに、


こんな事をされても気持ち悪いだけのはずなのに……!!





リースの中の『戦士』と『王女』が必死に否定を叫びたてる。


けれども



「はあああああんっ♥♥」



情けなくふやけた口からは『奴隷乙女』の善がり声が漏れ出すばかりで、
今やリースには否定のかぶりを振ることもできはしない。



抑制を失った触手の責めは苛烈だった。

ひたすら凌辱を望んでいた頃とは違い、ドキッとするほど情熱的で…必死なまでの変態愛が篭っていた。



或いはそれが決定打となったのかもしれない。



なにしろ愛の力というやつは強靭万能支離滅裂で、
しばしば物語の脚本にまで手を突っ込み書き換えてしまうほどの、理不尽極まる最強パワーなのだから…!!!



「ひぃぃぃぃぃぃぃんっ♥♥♥ いやっ♥ いやっ♥ いやあああああああ♥♥♥ ドキドキするぅぅぅぅぅっ♥♥♥
 こんなっ♥ はあああんっ♥ ちがうのに…♥♥ ちがうのにぃぃっ♥♥♥」



抜けてしまった腰をがくっがくっと跳ねさせながら悲鳴を上げるリースの胸は、
強制的に植えつけられた『恋する乙女の鼓動』で一杯だった。


鼓動は触手の圧倒的情熱に際限なく高められて狂い鳴り、
いっそうリースをわけのわからない状態へと舞い上げてゆく。


次第に、入り乱れてまとまらない思考の中に、
相手を喜ばせたい、気持ちよくしてあげたいという愛情が芽生え始め、

落下しているのか舞い上げられているのかも解らなくなっているリースの意識は
乳唇がたてる肉奉仕の音にすら、えもいわれぬ達成感を感じてしまうようになっていった。



一方で散り散りになった理性がその小さなカケラの中から必死の否定を叫びたてているが、
それらはただただ空しく桃色の脳内物質が溢れ満ちた快楽の津波に飲み込まれて消えゆく。



ずりゅりゅりゅりゅりゅんっ ずりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅんっ



『舌』の素股挿抽が股底を擦り上げるたび、



「ひぃぃぅぅぅぅぅっ♥♥♥」



リースの中の『意識のスイッチ』が、
ぐぐっ、ぐぐっと、『奴隷乙女』の方向に引かれ、僅かずつにも傾(かし)いでゆく。



「きゃぁぁぁぁぁぁっ♥♥ ああっ♥ あああっ♥♥ やあああああああんっ♥♥♥」



情熱に満ちた超越的変態愛を押し付けられて、

リースの中の『奴隷乙女』はうっとりと瞳に星を浮かべ、
『王女』は顔を紅く染めて俯き、
『戦士』は戸惑い矛先を揺らしていた。



当然、そんな状態では咄嗟の暗示に抗えるはずも無く……



「いぉぃぃぃ」


耳元に生暖かい吐息と共に囁かれたそれは、先に触手が試みたのと同じ発音。


「いぉぃぃぃ」
「いぉぃぃぃぃ」
「いぉぃぃぃぃ」


気持ちいい、と脳に響く暗示は
すさまじい愛の波動で翻弄された『戦士』の槍をかいくぐり、俯く『王女』の頬を舐め上げて横切り……

そして『奴隷乙女』へと直撃する…!!


刹那、どぷん、と
脳内を液体状の多幸感が満たし――


「ふあああっ♥ あぁぅっ♥ あぁぅっ♥ あぁぅっ♥」


何度か喉を絞るような悶絶を上げた後……





「きっ…きもちっ…いぃぃぃ………♥♥♥」


へにゃへにゃと力の抜けた情けない声をたなびかせて、リースは肉体の屈服を宣言し、


カチン、と『奴隷乙女』の最奥まで、意識の『スイッチ』が押し倒された。





   

 

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